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山梨大学医学部医学部長 中尾篤人先生

進路の決め方

Q1.山梨大学医学部の特徴についてお聞かせください。

山梨大学医学部のある山梨県中央市は自然環境に恵まれたとても過ごしやすい街です。東京よりも遊ぶところも少なく、勉強に集中できる環境だと思います。実際、学生も真面目に勉強する学生が多いように思います。山梨県内唯一の大学病院として山梨県の医療における中心的役割を果たしています。また山梨大学医学部は自由な校風で風通しが良く、学閥も一切ありません。これは山梨大学医学部の大きな長所の一つだと思います。
入試においては、前期入試を実施しておらず、地域枠で入学してくる学生以外の多くの学生が後期入試で入学してくるため、全国から多様な学生が入学してくることも特徴です。後期入試で入学してくる学生の中にも、約3割は山梨が好きになり卒業後も山梨に残ってくれる学生がいます。全国から集まってくる学生が山梨県出身の学生と仲良く勉強しており、学内の雰囲気はとても良いと思います。
部活動では、富士山・富士五湖があることもあってヨット部の活動が盛んです。彼ら朝の5時頃から富士五湖まで車で出かけ練習し授業の始まる9時には戻ってきています。付属病院の隣に隣接されたグランドにはヴァンフォーレ甲府の練習場があり、学生や入院患者さんが気軽に見ることが可能でプロ選手の真剣な練習姿から元気をもらっています。
学部としては、最先端医療への対応に力を入れています。今後、AIなどの技術が医療の現場に導入されることが予想されますし、最先端の研究が実際の医療現場に反映される機会も増えています。そこで、大手製薬会社出身の方に臨床特任教授として着任してもらい、最先端医療の導入を助けてもらう取り組みを行っています。

山梨大学医学部

Q2.山梨大学医学部の教育に関する特色についてお聞かせください。

医学教育分野別評価(いわゆる医学教育の国際認証)の導入に関しては、良い改革の機会であるとして概ね前向きに捉えています。実習時間を増やすために1、2年生の期間に基礎医学の授業を全て終えなければならないのは学生にとって大変かと思いますが、その分3年生以降のカリキュラムには余裕がありますので、新しい試み、例えば看護学科の学生との共同講義(チーム医療)、医療倫理教育、レポート・論文作成の仕方、ボランティア活動の単位化といった面白いカリキュラムを導入することを考えています。今の2年生から新しいカリキュラムに移行しましたので、効果が上がっているかどうかの検証は必要ですが、4年生以降の実習の際に早くからしっかりと勉強していた成果が徐々に出てくるのではないかと期待しています。また、カリキュラムの変更に関しては、学生にもカリキュラム設置委員会に参加してもらい、意見を聞いています。トップダウンの改革はこれからの時代のニーズに適していないと考えており、これからも個々の学生を大切にしていく姿勢を重視していくつもりです。これを機会にさらに良い教育が実践できるように常に努力していきたいと考えています。

山梨大学医学部

Q3.先生ご自身のことについてお聞かせください。

私は神奈川県横浜市の出身です。小学校の頃にブラック・ジャックを読んだことがきっかけで医師を目指しました。高校は県立横浜翠嵐高校に通っていました。小・中学校の頃はリトルリーグで野球をしていたのですが、高校が家から遠かったこともあり、高校生の頃は美術系のサークルに入っていましたがほぼ帰宅部でした。高校の頃から少しずつ塾に通っていましたが、浪人してから本格的に予備校に通って勉強しました。数学の先生の授業が分かりやすかったのが印象に残っています。
千葉大学医学部を卒業後、元々自分が喘息だったので6年間はアレルギーや自己免疫疾患を専門とする臨床医として働いていました。その後学位を取ろうと思い、ネイチャーを読んでいるときにTGF-βという分子が自己免疫疾患に重要な役割をしているという論文が掲載されており、その論文を読んだことをきっかけにスウェーデンの研究所に留学しました。スウェーデンでは基礎医学に関する研究を主に行い、2年間の研究の成果を今度は自分がネイチャーに掲載することができました。この出来事は私の中でかなり大きく人生を左右しました。そしてその後、研究の道へ進むことを決めました。
日本に帰国後は順天堂大学医学部でアレルギーの研究をしていましたが、山梨大学医学部で免疫学講座の教授選考があることを知って応募し、山梨大学に赴任しました。山梨県はワインと温泉の県なのでどちらも好きな私は満足しています。

山梨大学医学部

Q4.山梨大学医学部を目指す受験生にメッセージをお願いいたします。

山梨大学医学部は勉強に集中できる環境も整っていますし、学生は自由に過ごすことのできるとても良い大学です。カリキュラムもバラエティーに富んだものを提供していこうと考えていますので、後期入試の選択肢の一つとしてぜひ受験してほしいと考えています。ほとんどの学生は前期試験に不合格で山梨大学医学部に入学することになりますが、入学しても決して後悔はしないと思います。大学に入ってしまえば、偏差値などは関係ありません。まだ若いとわからないかもしれないですが、つまらない見栄のようなものにこだわることは決して人生のプラスになりません。社会に出たら学歴は、特に医者の世界では関係なくすべては自分の実力次第です。早く大学に入って医学の勉強をはじめ、自分が今の医学を革新させて治らない病気の治療を見つけてやる、と思うような大きな志のある人に受験してほしいと考えています。

関連リンク 山梨大学ホームページ

なかおあつひと
中尾篤人先生 略歴

現職
山梨大学 医学部 医学部長

学歴・略歴
平成元年  千葉大学医学部卒業
平成3年  国保旭中央病院内科医員
平成5年  千葉大学医学部第二内科研究生
平成7年  スウェーデンウプサラ大学ルードウィック癌研究所研究員
平成13年 順天堂大学医学部アトピー疾患研究センター講師
平成15年 山梨大学医学部免疫学講座教授
/山梨大学大学院総合研究部教授・順天堂大学医学部客員教授
平成25年 山梨大学医学部医学科長(兼任)
平成29年 山梨大学医学部医学部長