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宮崎大学医学部長 丸山眞杉先生

宮崎大学医学部長 丸山眞杉先生
進路の決め方

Q1.宮崎大学医学部の特徴についてお聞かせください。

現在、一県一医学部の原則に則り、国立大学には42の医学部が設置されています。宮崎大学医学部も、昭和49年に設立された宮崎医科大学が前身となっています。その後、平成13年には看護学科が併設されました。さらに国立大学の独立行政法人化の流れから平成15年10月年に旧宮崎大学と統合しました。宮崎大学は、スローガンとして『世界を視野に地域から始めよう』のもと、地域社会はもとより広く世界に通用する医療人、医学研究者の育成を目指しています。さらに統合によって医療系の学部に通う学生だけではなく、他の学部の学生との交流も生まれ、より多様な人間形成が可能となりました。
宮崎大学医学部は、宮崎県の地方医療を担っており、その果たす役割は大きいと認識しています。2007年以降、医学部の定員が全国的に増加しており、医師の数はここ数年増えつつありますが、宮崎県全体としては、まだまだ医師不足が深刻であり、特に過疎地でその傾向は顕著です。宮崎大学医学部は軸足を地域医療におき、宮崎県や地域の医師会と連携して様々な課題に取り組んでいます。地域医療を支える上で重要なのは新しい技術を取り入れることです。現代医療は日進月歩が常識であり、ICTやIOTの発展、進歩は医療にも取り入れられると思います。宮崎大学としても、電子カルテの活用、カルテのデータ化、ビッグデータの集積など、インターネットの力を使って、地域医療のネットワークを構築していきたいと思います。
研究分野においては、大学院に医学獣医学総合研究科を設置し、医学部と獣医学部との共同研究が行われています。この研究科は国内では初めて医学と獣医学が連携・融合して設置された大学院です。これまでの医学と獣医学それぞれで培われてきた教育・研究実績を踏まえて、それらを連携・融合することにより、今までは得られなかった両分野における知識、研究能力を身につけることができます。また、グローバル時代の課題である食料問題や新興・再興感染症対策を始めとする医学・獣医学にまたがる諸課題を解決できる人材を養成することも目的としています。このような教育・研究を通して、本研究科が立地する畜産基地からの要請に応えるとともに、人類の健康と福祉の向上に貢献できると考えています。医学部と獣医学の共同研究は欧米でも見直しの流れがありますが、日本国内では珍しいことであり、宮崎大学のリベラルで宥和的な校風のおかげであると思います。寄生虫や感染症に関する研究が以前から共同で行われており、ノウハウをお互いに共有するなど、良い協力関係があります。宮崎大学獣医学部は産業動物がメインであり、人との関係性が非常に大きいといえます。BSEや鳥インフルエンザなど動物を介する症例への対策は重要になっていくと思います。宮崎大学独自の強みを活かした獣人共通感染症の研究を推進することは人類の健康へ大きく貢献できると考えています。

宮崎大学医学部長

Q2.宮崎大学医学部の教育に関する特色などお聞かせください。

分野別専門認証は、アメリカの医学教育を参考にしています。アメリカで行われている優れた教育カリキュラムを日本にも導入する良い機会であるとは思いますが、そもそもアメリカと日本では大学に入学するまでの教育の仕組みが異なります。小学校、中学校、高等学校での教育カリキュラムや教育目標も異なりますし、アメリカの医学教育は日本のロースクールのように大学院で学ぶことを前提に整備されています。詰め込み式の教育を受け、受験を突破して大学に入学した日本の学生にいきなり自由を与え、自分で考える力を重視しても、学生が自分の能力を発揮することは難しいと考えています。二年次に自分の言葉で答案を書く論述のテストが多く実施されますが、この形式のテストでつまずいてしまう学生はその後もつまずきやすい傾向にあります。また、最近の学生は教科書を自分で買って読むということをせず、授業で配布される教材のみに頼る傾向があり、問題になっています。自分で考え、問題を解決できる能力を養うために、一年生の入学時から何か施策を講じる必要があると思います。
入試制度に関しては、多様な人材を獲得するために推薦入試などを導入していますが、推薦入試で入学する学生のレベルが下がらないよう、有識者とのディスカッションを行いながら学生のレベルの維持に努めています。本学においても、医学部定員が増えたのちに、学力が若干低下し、二年生の留年が増えるなどの問題が生じましたが、現在は持ち直しています。多少の学力的なハンデがあったとしても、医師になりたいという思いが強ければ壁は乗り越えられるものです。入試の時の成績は大学在学中の成績と無関係ですし、卒業後の活躍との関連もありません。モチベーションの維持が医学の学習に当たって非常に重要だと考えています。

宮崎大学医学部長

Q3.先生ご自身のことについてお聞かせください。

私は群馬県の出身で、前橋高校に通いました。130年を超える歴史を持つ伝統ある高校ですが、当時はバンカラな校風で有名な学校でした。宿題などは課されず、服装も自由でした。高校時代は登山が趣味で、生き物にも興味があったので生物部に所属していました。高校時代から医師になることは考えていましたが、父が弁護士をしていたことから私も弁護士になりたいと思い、当初は文系のクラスに所属していました。しかし、母方の家系が医師であること、生き物が好きだったことが理由で、高校三年の時に医師になることを決心して、その後の受験勉強を経て宮崎大学医学部に入学しました。宮崎は父と何度か訪れたこともあった街ですから縁があったのだと思います。
宮崎大学医学部に入学後、二年生の時に行われたソフトボール大会で、前橋高校出身で先輩にあたる教授に生理学の道に誘われたことがきっかけで生理学の道を志すことになりました。当初は関東に戻って臨床を中心に生活していくことを考えていましたが、研究に魅力を感じて一心にその道に進むことになりました。研究は深夜に及び、ずっと研究室にこもって研究を続けることもありましたが、研究は楽しかったですし、全く辛いとは思いませんでした。
振り返ってみれば、受験当時に田中角栄の日本列島改造論があって、次々と医学部がなかった都道府県の大学に医学部が新設されていきました。宮崎大学の前身である宮崎医科大学は当時3期校として入学者を受け入れていました。受験生を幅広く弾力的に受け入れていたのだと思います。首都圏など医学部が設けられた大学が複数ある所と異なって、宮崎大学は1校で宮崎県の医療を担う責任があります。そういう意味では大変ですが、現在の状況はやりがいのある仕事だと感じています。

宮崎大学医学部長

Q4.宮崎大学医学部を目指す受験生にメッゼージをお願いします。

医学部入試を突破することが非常に難しくなってきています。何とか合格したいと皆さんも必死に勉強されていると思います。しかし、医学部入学後は大学入試の受験勉強のように受動的に用意されたものを効率よく身につけていくことが求められているわけではありません。能動的に自主性をもって自分自身で考えて学習していくことが必要になります。
従って、入学時に多少の学力的なハンデがあったとしても、モチベーションさえあればどうにかなりますが、自分のやりたいことと医学部で勉強をすることが一致していない場合は、医学部での勉強は非常に難しいと思います。
医学の世界は好きでないと大変だと思います。医者という職業は社会があるからこそ成立しています。医療は人間の生きる根源ですから医師を目指す人は善人であることが大切だと思います。入学した学生の皆さんが卒業するまで宮崎大学の医学部は真剣に丁寧に学生の指導を行っています。女性がライフスタイルに合わせて医療活動を継続的に実施できるようにサポートする体制もあります。
受験生の方、保護者の方、高校の先生方も含めて入学してからのミスマッチがないようにしっかり考え、目標を持って宮崎大学医学部に入学してきてくれることを期待しています。

関連リンク 宮崎大学ホームページ

まるやまますぎ
丸山 眞杉先生 略歴

学歴・略歴
1973 群馬県立前橋高校卒業
1980 宮崎医科大学卒業 医師免許取得
1984 宮崎医科大学大学院生体制御系専攻卒業 医学博士取得
1984 宮崎医科大学生理学第二講座助手
1987-1988
文部省在外研究員(ブラジル、ブタンタン研究所)
1992 宮崎医科大学生理学第二講座助教授
1995 宮崎医科大学生理学第二講座教授(現職)
1999-2000
文部省在外研究員(コスタリカ、コロドミロ・ピカード研究所)
2010-2013
宮崎大学副学長(国際連携担当)
2014-
宮崎大学医学部長