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琉球大学医学部長・医学研究科長 石田 肇先生

進路の決め方

Q1.琉球大学医学部の授業内容の取り組みなどを教えてください。

医学部入学者の物理選択の割合が高いので生物未履修者のために1年の前期から分子細胞生物学を始めていました。コアカリキュラムの内容に合わせた独自の内容で教育を行っています。教科書は一般的な生物学のMolecular Biology of the Cellを購入してもらって、「鉄は熱いうちに打て」ではないですが早期に対策することで入学後の学習が円滑に進んでいくように指導しています。
また、医学教育に関しては医学部・医学教育企画室を設置しており学生の教育に力を入れています。この点は他の大学以上に工夫していると思います。
分野別専門認証に関しては、今の段階では学生へ知識を教えることはだいぶうまくいってきたと思います。あとは技能もうまく指導できていると思います。但し、全体として態度評価が出席や遅刻を考慮しただけでいいのかという部分は課題があると考えています。
指導をする側もお互いに悩む事が多くて、今一番問題なのはアンプロフェッショナルな学生の評価です。やはりきちんとコミュニケーションが出来ないとかも考慮すべきですね。
国家試験に関しては、国家試験が2月なので卒業試験は各科毎の試験をやめて総合試験I、II、IIIと作ってIを5年生の終わりにII、IIIは6年生の9月、11月に実施することにしています。
今、琉球大学の医学部が移転するという動きがあります。それに伴い琉球大学では色々な動きがありまして、例えばスーパーサイエンススクールと連携したプログラムを実施して、2018年の夏から高校生30名を医学部体験に来てもらいました。
沖縄県内の各高校から3名ほどずつ、一週間来てもらって様々な講座を受けてもらいながら半日はシミュレーションセンターを利用して臨床現場がどんなことをやるのか体感してもらっています。
入学時の面接のときはみんな医療・医学に興味があるというのですが、実際に入ってみないと何をやるのかわからないという声も多いので、ミスマッチが起きないようにするためにも大切なプログラムだと考えています。
沖縄は小さいところですが色々な島を合わせて140万人ほどいますから、多様性があります。沖縄の独自性も考えながら教育を進めていきたいと考えています。

琉球大学医学部

Q2.琉球大学の特徴はどんなところでしょうか。

大学全体としては本土復帰前から設立していて普通の国立大学とはすこし感じが違います。医学部も医者が少なかった時代に医者を増やすための国費留学制度が沖縄県にはあって、それと同時に沖縄県立中部病院が研修医制度を始めて一千名くらいの研修医を育てています。現在ですと卒業生が何割かいて沖縄県のうちの琉球大学出身者が増えてきています。沖縄県は特にまとまりが強いので沖縄県出身の方も多くなっています。地域の活動も増えて大学と医師会の連携も日本の中でも強いほうです。琉球大学は今年で38期になりまして、医学部設置の初期は医師会の中でも琉球大学の出身者は少なかったわけですけれども、最近は出身者が増え、琉球大学から国立病院や県立病院の病院長になった方も輩出しています。あと5年10年すれば代替わりになりますので琉球大学出身の方もさらに増えます。
大学の移転計画としては、基本設計が2018年10月までに出来上がり2018年10月から実施設計に入ります。あと6年後に完成予定です。非常に大規模な移転で医療ツーリズムや感染症対策などの拠点になっていくと思います。特にアジアとの関係はより一層深いものになっていくと思います。

琉球大学医学部

Q3.先生ご自身の事に関しても伺いたいと思います。

生まれは札幌です。大学は山形大学を卒業しました。子供の頃は「進化」が好きでしたのでそれをするためには何がいいかなと考えていました。考古学や人類学も好きでしたが、ある時に解剖学で進化の研究が出来るのではないかと思いました。そういったところから医者を目指すようになりました。
進路は基本的に自分で決めました。高校3年生の担任が国語の先生だったのですがどこか医学部に行けば何かできるのではないかとおっしゃってくださりました。それで縁あって山形大学に入学しました。
但し、入学してから解剖学の教授を伺った際に、解剖学では進化の研究みたいなことはやらないと言われて、衛生学の教室に染色体などをされている先生がいたので衛生学講座というところに入り浸っていました。その後まず長崎に行ってその後、札幌医科大学に行きました。札幌医科大の主任教授先生が東北大に帰ってしまったこともあって、その後縁あって琉球大学で働くことになりました。
沖縄に関しては、学生の頃にも特に来たことはなかったですし、文化も人も違いますから。また疾患も違いました。胃がんも優しいピロリ菌なので少ないですし花粉症やアトピー性皮膚炎もあまりないです。
琉球大学は沖縄にもバイオインフォメーションバンクを、遺伝的背景に基づいた疾患や感染症のためにつくりました。それも移転に絡めて先端医学研究センターを創りました。各島にあり、個別なデータを集めています。琉球大学という大学なりの出来る事をしていきます。

琉球大学医学部

Q4.琉球大学の医学部を目指す学生に心構えやメッセージをください。

国家試験を通らないと医師にはなれませんが出口は広いので色々な興味を持ってきてほしいです。琉球大学は特に沖縄県に対して愛着を持っている人が多くきます。あとは指導も熱心にやりますし先輩も優しいので。病院も温かいと思います。患者さんに寄り添った医療が実施されています。人とのつながりや温かさを大切にしてくれる方が入学してほしいですね。

関連リンク 琉球大学ホームページ

いしだはじめ
石田 肇先生 略歴

学歴
昭和63年3月 医学博士(札幌医科大学)
昭和56年5月 医師免許証
昭和56年3月 山形大学医学部医学科卒

職歴
平成29年4月 琉球大学医学部 医学部長・医学研究科長
平成27年4月 琉球大学医学部 副医学部長
平成23年4月 琉球大学医学部 医学科長
平成23年4月 琉球大学医学部 副学部長
平成22年4月 琉球大学大学院医学研究科人体解剖学講座 教授
平成20年4月 琉球大学 教育研究評議会評議員
平成19年4月 東北大学医学部(非常勤講師)
平成10年5月 琉球大学医学部解剖学第一講座 教授
平成 3年4月  札幌医科大学解剖学第二講座 助教授
昭和63年7月 札幌医科大学解剖学第二講座 講師
昭和59年1月 札幌医科大学解剖学第二講座 助手
昭和56年4月 長崎大学医学部解剖学第二講座 助手

賞罰
平成5年10月30日 平成5年 Anthropological Science  論文奨励賞(第2回)受賞