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順天堂大学 医学部長・医学部循環器内科学教授 代田浩之先生

進路の決め方

Q1.順天堂大学医学部の特徴についてお聞かせください。

順天堂は来年で設立180年を迎える日本で最も歴史のある医系教育機関です。順天堂大学医学部の根幹をなす精神として、学是”仁”の心があります。すなわち、「人在りて我在り 他を思いやり慈しむ心」です。医学教育にあたっては、高度の知識や技術だけでなく、仁の心そして豊かな人間性と感性を持った医師を育成していくことを目指しています。医療の現場においても、チーム全員が一つの方向に向かって連携し、その連携の要、象徴として仁の心という精神が根付いていることは、順天堂大学医学部の大きな強みだと考えています。
現在、順天堂大学には医学部を含めた5つの学部と6つの附属病院があります。スポーツ健康科学部、医療看護学部、保健看護学部、そして2015年開設した国際教養学部と6附属病院の連携は非常に強固であり、この点も他の大学と比べて順天堂大学の強みだと思います。健康をキーワードに各学部が連携して活動し、教育、研究、そして臨床に当たっています。6つの病院の総病床数は日本屈指のものであり、臨床教育における大きなフィールドであると共に、研究活動の場としても良い機会を提供できると考えています。また、日本の高齢化、社会構造の変化によって生じる問題にも対応し、老人医療や在宅医療などの新たなニーズにも応えています。東京都の要請でできた江東区にある順天堂東京江東高齢者医療センターはそのシンボルと言えます。
順天堂大学は、昔からの伝統を重んじながらも常に外から優秀な人材を重用し、取り入れて来た歴史があります。学内は非常にリベラルで自由な雰囲気に溢れており、小川理事長が掲げる学閥、性別、国籍を区別しない三無主義が徹底されていることも大きな特徴です。順天堂大学では、学生一人ひとりが自分の意思で自由にチャンスを掴んでほしいと願っていますし、そのための選択肢は豊富に用意しています。海外留学はもちろん公的機関や国際機関への勤務など、医師の活躍のフィールドは臨床医、研究医にとどまらず、近年さらに広がりを見せています。前述した国際教養学部の設立は私たち順天堂の国際発信力をさらに強化してくれるものと考えています。
研究面では順天堂が持つ14の研究所・研究センターを中心として、活発な研究活動が続けられています。昨年オープンした難病の診断と治療研究センターでは、先端的ゲノム医療と再生医療が展開されています。さらに日立製作所や理化学研究所など、企業、公的機関を問わず多くの組織と連携して最先端の研究が行われています。英国の高等教育情報誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーションでもアジア大学ランキングで上位に位置し、順天堂の活動が国内外で高い評価を受けていることがわかります。スポーツ医学やAIを活用した最先端の研究も盛んで、最近では電気通信大学と連携して、糖尿病治療の研究や、薬物投与時の副作用リスクをAIが見つける研究などが進められています。AIについては学生の注目を集める分野であることも確かです。病理学の先生が今年度の一年生に入学時のオリエンテーションを行なった際、学生から「その仕事は将来、AIに取って代わられるのではないでしょうか」などといった鋭い質問が飛んでいました。AIの活用にあたって、どのように利用することが最も望ましいのかといった議論はまだまだ必要ですが、未来を担う学生が最先端の技術に興味を持ち、知識や教養を身につけようとしている姿を見て、とても頼もしく感じました。

順天堂大学

Q2.順天堂大学医学部の教育に関して特徴などお聞かせください。

順天堂大学では医学部1年生は全寮制になっています。千葉県の印西市にあるさくらキャンパスの寮はスポーツ健康科学部と同じ施設です。そこではオリンピックを目指すアスリートや箱根駅伝のランナーなどトップアスリートと同室になることがしばしばあります。寮生活を通して、医師になるために必要不可欠なコミュニケーション能力や礼節を学ぶと同時に、アスリートの生活から学ぶべきことも非常に多いと思います。規則正しい生活や健康的な食事など、多くのことを吸収してほしいと考えています。順天堂ではこの1年生の寮生活から6年生までを通して教員と学生の距離が近い楽しく充実した医学教育を提供していると思います。そのことが医師国家試験の良好な合格率(過去10年間平均で国公私立医科大学80校中2位)につながっていると思いますが、私たちは学生に対して国家試験をものともしない実力をつけて、より高い志を持って育ってもらいたいと思っています。現在の入試は外国人枠、帰国子女、国際バカロレアなどいくつかの入試のシステムで多様な学生を受け入れ、国際性豊かな人材育成を目指しています。そのために、入学直後からのTOEFLを中心とする充実した英語教育そして、学年が上がってから順天堂国際医学教育塾という課外プログラムを揃えて、医師になるまでの連続した英語教育を整備しています。
スポーツ医学についても順天堂大学医学部の大きな特徴だと思います。スポーツを総合的に科学する「スポートロジー」という新しい分野を立ち上げて研究活動を推進しており、この分野に興味を持って受験してくれる高校生も多いようです。
定められたカリキュラムの他にも基礎医学研究に自主的に取り組む学生も多くいます。将来研究者になることを目指している学生を積極的にサポートするための基礎研究医養成プログラムがあります。学生時代から基礎研究室で様々な研究手法を学び、学会報告や論文作成を経験する教育プログラムであり、基礎研究活動も非常に活性化しています。

順天堂大学大学院医学研究科循環器内科学 教授 代田浩之先生

Q3.先生ご自身のことについてお聞かせください。

私は両親が開業医をしていましたので、小さい頃から、地域医療の現場に触れることが多く、医師になることを当たり前のことのように思っていました。大学時代は、バスケットボール部に所属していましたが、クラブの仲間には大変お世話になり、今でも親しい交流がありますし、臨床や研究を進める上でもその繋がりが大変役立っています。このクラブ活動が盛んなのも順天堂の特徴だと思います。大学卒業後、虎の門病院での研修中に、冠動脈造影法を日本に導入された山口洋先生に出会い、私も循環器内科を選んで特にカテーテル治療を専門としました。山口先生が順天堂大学の教授に就任されるのをきっかけに私も順天堂に戻ってくることができ、以来ずっと順天堂大学医学部に所属しています。この間Mayo Clinicに留学し、脂質低下療法や運動などの予防心臓病学の領域での研究を行い、現在も心臓病の予防に力を入れていますが、それはWorld Heart Foundation が主催するTen-Day Teaching Seminars on Cardiovascular Epidemiology and Preventionに参加して米国のStamler先生にお会いしたことがきっかけになっています。心臓病の疫学、臨床統計の基礎や介入試験の組み方などを教えてもらったことが、その後の私の研究の方向性を示してくれた転機だったと思っています。様々な人との出会いは大きなヒントを与えてくれます。順天堂大学は各領域にその分野をリードする優秀なスタッフが揃っていますし、そのヒントをもらえる多くの機会があると思います。

Q4.順天堂大学医学部を目指す受験生の皆さんにメッセージをお願いいたします。

人の命を預かる医師という職業は、大きな責任を伴いますが、やりがいのある職業です。また、医学は人類の未来に希望を与える夢のある学問です。受験生の皆さんには、医師となってどのようなことをしたいのかを考え、高い志を持って順天堂にチャレンジして貰いたい。そして自らの夢を順天堂の教育プログラムと重ね合わせ、医学医療の知識や技能だけでなく豊かな感性と教養を自ら進んで身につけ、世界に羽ばたいて、医学の進歩に貢献して頂きたいと思います。

関連リンク 順天堂大学ホームページ

だいだひろゆき
代田浩之先生 略歴

現職
順天堂大学大学院医学研究科長・医学部長 医学研究科循環器内科学 教授

1979 年順天堂大学医学部卒業。虎の門病院で内科研修後、1985 年順天堂大学循環器内科に入局。1993-1995 年メイヨークリニックに留学。特に冠動脈硬化症の進展予防と心血管事故再発予防に関わる臨床研究に力を入れている。
元々はカテーテルインターベンションを専門としていたが、予防心臓病学の重要性を実感し、急性期救急治療から慢性期心臓リハビリテーションまでの包括的な診療体制とその教育プログラムの確立そして普及が循環器患者のために欠かせないと考えている。2016 年4 月より順天堂大学大学院医学研究科長・医学部長。

学歴・職歴
昭和54年 3月 順天堂大学医学部卒業
昭和54年 4月 虎の門病院 内科
昭和60年 5月 米国 Cleveland Clinic,Department of Cardiology,International Fellow 短期留学
昭和60年10月 順天堂大学循環器内科学講座 入局
昭和62年 4月 順天堂大学循環器内科学講座 助手
平成 5年 8月 米国 Mayo Clinic,Division of Cardiovascular Diseases, Visiting Physician and Scientist 留学

平成7年11月 順天堂大学循環器内科学講座 講師
平成7年11月 順天堂大学循環器内科学講座 講師
平成12年 7月 順天堂大学循環器内科学講座 教授
平成18年 2月 同医学部附属順天堂医院 ハートセンター長
平成20年 4月 同医学部附属順天堂医院 副院長
平成24年 2月 台北医科大学 客員教授
平成26年 4月 順天堂大学医学部附属順天堂医院 院長
平成28年 4月 順天堂大学 大学院医学研究科長・医学部長併任

専門領域:冠動脈疾患の診断治療と予防、動脈硬化